はじめに
令和8年4月1日より一部自治体において民泊・旅館業に関する条例改正が施行されました。
目次
大田区においては、以下に解説する改正がなされ、申請時のフローにも変更がありました。
今回の改正は主に新規申請施設を対象としていますが、既存施設にも対応を求めています。
既存施設については、内容によって即時適用のもの、猶予期間を定めているもの(3ヶ月〜3年)、非該当のものと分かれているため、整理して準備・対応をする必要があります。
また、既存建物を旅館業へ用途変更する場合には、申請フローにおいて大田区建築課への報告が必要になりました 。
1.大田区条例改正について
1-1. 緊急時かけつけ体制の強化(対象:旅館業・住宅宿泊事業・特区民泊)
旧制度では「公共交通機関不可で30分以内」かつ「1名対応可」でしたが、新制度では「徒歩10分以内で到達可能」であり、さらに「3名以上の担当者選定」が必要となります。
緊急時の即応性と体制強化が求められます。
既存施設には3年の猶予期間があります。
1-2. 廃棄物処理ルールの厳格化(対象:住宅宿泊事業・特区民泊)
旧制度では7日に1回の回収で対応可能でしたが、新制度では3日に1回へ短縮されます。衛生管理および周辺環境への配慮が強化されます。
既存施設には1年の猶予期間があります。
1-3. 苦情・問い合わせ対応体制の義務強化(対象:旅館業・住宅宿泊事業・特区民泊)
従来は窓口設置のみで足りましたが、改正後は24時間365日連絡が可能な体制の確保が義務化されます。迅速な対応体制がより重要となります。
既存施設には3年の猶予期間があります。
1-4. 近隣住民への周知義務の拡充(対象:旅館業・住宅宿泊事業・特区民泊)
周知範囲は20mへ拡大され、生活圏を共有する建物使用者等も対象となります。説明会は2回以上の開催が義務化され、掲示物はA2判以上とされます。
掲示位置や記載項目も具体化され、事前に保健所の添削を受ける運用も導入されています。
既存施設は対象外です。
1-5. 誘導看板・施設看板の設置義務化(対象:旅館業・住宅宿泊事業・特区民泊)
従来規定はありませんでしたが、改正後は誘導看板および施設看板の設置が努力義務となります。利用者および近隣住民への視認性確保が求められます。
既存施設にも即時適用されます。
1-6. 特区民泊における基準改正
特区民泊ではステッカー掲示が義務化され、既存施設には3ヶ月の猶予があります。
また、一居室の床面積に関しても改正がありました。
改正前は滞在に支障がないと認める場合、20㎡以上から特区民泊が可能でしたが、改正後はいかなる場合でも壁芯25㎡以上でないと特区民泊ができなくなりました。

2. 建築課チェックリストの運用
旅館業への用途変更(延べ200㎡以下)の場合、大田区建築課のチェックリストを用いて建築基準法適合性を確認し、報告する手順となりました。
事前確認により法令違反や手戻りを防止する目的のようです。

共同住宅から旅館業へ変更する場合、特に容積率に注意が必要です。
共同住宅では共用廊下や階段が容積率に算入されない緩和がありますが、旅館業ではこれらは適用されません。
そのため容積を再計算する必要があり、場合によっては超過してしまうことも考えられます。
また、200㎡を超える場合は建築基準法第87条に基づき確認申請が必要です。
住宅宿泊事業や特区民泊では別途チェックシートの提出が求められます。
まとめ
今回の法改正は、緊急時対応、衛生管理、苦情対応、近隣周知、表示義務、建築確認といった幅広い分野で基準が強化されています。
制度内容を正確に把握し、計画的に対応することが重要です。
特に大田区では、周知書面や建築課チェックリストなど事前準備の徹底が今後の運用の鍵となります。
当社では、各自治体の条例改正等の情報をアップデートしており、今回の改正についてもサポートさせていただきます。
民泊・旅館業をご検討の際はお気軽にご相談ください。












