1. はじめに
台東区で宿泊施設の開業を計画する際、確実に直面するのが「玄関帳場(帳場スペース)をどう設けるか」という課題です。
旅館業許可を取得するには帳場の設置が必須ですが、特に既存建物を改修して開業するケースでは、
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玄関が狭い
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受付の場所が確保できない
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動線が玄関から離れてしまう
といった悩みが頻出します。
一方で、帳場は単なる受付カウンターではなく、行政が重視する“管理拠点”という位置づけ。
改修内容によっては、申請が差し戻しになることもあります。
本記事では、当社が手がけた実例を交えながら、
「限られた空間でも許可を取れる帳場づくりのポイント」
「審査で見られる視点」
「計画段階で押さえておくべき注意点」
をわかりやすく解説します。
2. 玄関帳場とは?
帳場とは、宿泊者が客室へ入る前に受付や本人確認、宿泊名簿の記載・確認などを行う場所のことです。
台東区では、旅館業法に基づき
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宿泊名簿の管理
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防犯・緊急対応
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利用者の確認
が行える体制が求められ、更には常駐の義務があるため、玄関帳場の設置は必須要件とされています。
ただし、見た目の豪華さや面積の大きさが求められているわけではありません。
行政が重視しているのは以下のようなポイントです。
✅ 宿泊者が必ず通る導線上にあるか
✅ 宿泊室に入る前に本人確認ができるか
✅ 職員または管理人が常駐・対応できる状態か
✅ 宿泊名簿等を保管・管理できる機能を持つか
つまり、「帳場らしい役割が果たせる構造になっているかどうか」が審査の基準になります。
3. 【事例】限られた空間でも玄関帳場を設ける工夫
今回の物件は、店舗として使われていた建物のワンフロア。
約40㎡の空間には帳場を設ける余裕が全くないように見えました。
しかし旅館業の許可を得るには帳場は必須。
そこで、玄関の動線を見直し、玄関横に小さな常駐スペースを新設するプランを提案しました。
壁の一部をくり抜いてカウンターを造作し、宿泊者と管理者が顔を合わせて対応できる構造に。
カウンターは幅約1m・奥行き50cmとコンパクトながら、木のカウンターを設け、動線も確保しました。

宿泊名簿の確認や防犯カメラの映像確認もできるよう設計。

結果、宿泊室の前に自然に溶け込む帳場が完成し、審査もスムーズに通過。
「最小限の面積でも帳場として成立する」実例となりました。
無人運営との両立(台東区の実務対応)
最近は無人運営を希望されるオーナー様も増えていますが、台東区では完全無人型は不可です。
実際に当社が対応したケースでは、以下のような併用型を採用しました。
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玄関にセルフチェックイン機を設置
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隣接するスペースにスタッフ対応エリアを確保
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必要時に対面確認・緊急対応ができる体制を明確化
これにより、ICTの利便性と行政が求める「有人管理」を両立しました。
💡 ポイントまとめ
「玄関から見える位置」に設けることが最重要
狭小空間では“造作カウンター”で機能と存在感を両立
審査時には帳場の用途を図面・構造を明確に示すことがコツ
4. リフォーム・設計で失敗しない4つのポイント
1️⃣ 位置
宿泊者の動線上、できれば玄関の正面または通過する導線上に配置する。
2️⃣ 構造
仕切りやカウンターなど「受付スペース」と判別できる形状が必要。机と椅子のみでは認められないことも。
3️⃣ 規模に応じた工夫
一定の広さの規定はなく、狭小物件なら造作カウンター+収納棚程度でも審査に通るケースあり。
4️⃣ 常駐・管理体制の明確化
無人運営の場合は、遠隔監視・出動体制・緊急連絡体制などの説明が必要。
5. 開業希望者が押さえておきたい注意点
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帳場なしでは許可は下りない
「あとで設けます」は認められません。
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帳場だけ整えても不十分
面積・収容人数・衛生設備・防火規定なども同時に審査対象です。 -
設計者・施工会社への早めの相談が重要
自己判断で進めると、やり直しや追加費用が発生しやすくなります。
特にテナントや築古建物では、「玄関動線の見直し」「壁の開口」「設備の付け替え」が必要なケースもあり、開業スケジュールにも影響します。
早めの相談が結果的にコスト削減につながります。
6. まとめ
玄関帳場は“宿の顔”であり、旅館業許可を取得するうえで外せない要素です。
スペースが狭くても、造作や配置の工夫で申請要件を満たすことは十分に可能です。
大切なのは、
「物件の条件に合わせた柔軟な設計」
と
「審査を意識した具体的な計画」。
当社は、旅館業を取得するためのリノベーション工事を行っています。
💬 「台東区で宿泊施設を始めたい」「無人運営で許可を取りたい」
という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
小規模物件・古民家・ビルイン型など、多様なケースに応じた最適プランをご提案いたします。










